初恋

初恋、恋は本当に素晴らしい、これは人間しか経験できない数少ない奇跡
初恋ほど淡く甘い胸のときめきのせいで周りの目も気にする事のない想いがとめどなく膨れ上がってゆく自分だけの時間、恋は本当に素晴らしい。
先日、ラジオから敬愛するロバートハリスさんが初恋について語っておられ、僕も同感というか、一気に少年だったあの頃の事が頭の中で蘇りました。なのでまだ初恋の記憶が残っている今、あの素晴らしい時間を忘れないように残しておこうと思います。
僕の初恋の相手は由緒ある大きなお寺の娘で名前は真里ちゃん。
恋のきっかけは夏休みが近づく暑い日だったのを覚えています。
誰もいない放課後、僕が階段で滑り転げ、持っていた家庭科に使う箱を落としばら撒いてしまって、中身を拾っていた時に同じ階段から降りてきた真里ちゃんは僕に「何してんの?」と笑いながら一緒に拾ってくれたのが恋の始まり、よくあるパターンと言えばそうかもしれない。
そんな真里ちゃんは成績優秀、運動神経もよく皆からも人気がありました。
夏の陽射しで小麦色に焼けた肌色の彼女、とても目が大きく、華奢な身体で身長も比較的大きい彼女。
僕が初めて恋に落ちたのは11歳。
黒板に書いてある事も教科書に書いてある文章も頭には入らず何をしても手につかず、毎日の様に通っていた駄菓子屋のお菓子も喉を通らず、友達が話しかけてきても上の空、彼女の事を想うと胸の中がなぜかフワフワしていて言葉に表せない様な感情が湧き出てきて、甘くてやるせない気持ち、それは完全なる初恋という人間だけが持つ短い奇跡の時間。
その後どうやって彼女のの気を引こうか?
そんな事ばかりを考えるのがとても幸せで、授業の間の休み時間になると、いつもは運動場に出て遊んでいた僕は彼女の休み場所の教室の前の廊下を行ったり来たり、目線が合いそうになったらそらし、彼女が他の友達と喋っている時は胸のワクワクを噛み締めウットリしながら眺める毎日を繰り返していました。
まるでメスの鳥の前でにアピールする派手な南国の鳥がダンスをする様にと。
それから夏休みに入り逢えない日々が続いていた頃、共通の友達同士でドッチボールをやろうと誘いがあり、その中にも意中の真里ちゃんも含まれていました。
遊び場所はなんと彼女の家、
大きなお寺の中にある庭でした。
僕は今でもその幸福感がいっぱいだった夏のあの時間ははっきりと覚えていて、ドッチボールってワードを聞くとその感情が蘇ってきたりします。
庭の中にある沢山の木に留まっているセミの合唱に負けじと、少年少女達の笑い声のなか遊びが始まり、僕は彼女を意識していて誰かが投げ飛び交うボールから守っていました、
誰かが彼女にボールを当てようなもんならその相手を集中的に攻撃してやっつけたり、身を扮して彼女を防御したりと、自分だけの幸せな時間はあっという間に過ぎていき夕暮れになり、彼女の親の掛け声と共に楽しいアトラクションの様な夢の時間が終わり家路につきました。
彼女の事を想う様になってから、
その心中を僕は誰にも喋らず、
甘く淡い胸のときめきが続く時間を
一人でじっくりと味わっていました。
そんな僕は家に帰ってもやっぱり彼女の事ばかり。。
長く短い様な夏休みの後半、
宿題に追われるなか
家の電話が鳴り受話器を取ったら、
それは真里ちゃんでした、
僕に直接コンタクトとってくれた真里ちゃんは「この前、私を守ってくれてありがとう、今度また家に遊びに来て欲しい」と言われ、僕はもう有頂天。
日に日に増す小学生の小さな身体の中で踊る恋心。
僕たちは二人っきり会う日を約束し、ついに夏休みの終わりごろにその日が来ました。
僕たちは2人で駄菓子屋へ行ったり、離れた場所あった公園へ行ってブランコをしたり、その日もやっぱり沢山の蝉が鳴いた日でした。
午後になって自然と彼女の家に遊びに行き、大きな庭にあるものすごく長いホースから出る勢いのある水でセミにかけたりして遊んでました。
突然彼女は見てほしい物があると言ってきて、彼女の部屋へ行き集めてる髪飾りや彼女の幼少期のアルバムを一緒に見たりして、僕の胸に1000w程の大きなスピーカーから鳴る心拍音はものすごいスリリンスなを感じる様な音でした。
もう頭の中はとても甘美で陽炎がかかった様な神秘的でした。
時間はあっという間に流れていきました。
別れ際ぼくの手を強く握ってきて大きな目で僕を見つめてきました。
彼女は何も言う訳でもなく僕の手を握っていました。
その行為はあまりにも突然すぎて、初めて彼女に触れ少し冷たい手だったのは覚えています。
僕はどうしていいか分からなくなって手を離し、いつの間にかに自分の家の食卓に座っていました。
新学期が始まり、僕と真里ちゃんの間柄はその一件で一気に縮まりましたが、学校では特に会話もなく互いのアイコンタクトだけで繋がっていました。
浮かれてフワフワした時間を過ごす中、夜の食事の時間に僕の親から「次の学年に変わる時に引越しするよ」と今を思えば死刑宣告の様な言葉が単調に告げられ、僕にとってはこの世の終わりを感じた瞬間でした。引越しは沢山したので慣れてはいましたけどね。
僕はなぜか彼女に転校する旨を伝えられず、そして誰にも伝えられず、冬を迎え、寒さが和らいだ小春日和を越えた頃、ついにその日がやってきました。
僕は担任に教壇の前に呼び出され、
「転校します」と皆の前で無鉄砲に言い放たれ、僕の目線は彼女の驚いた顔をやるせない気持ちと、どうして良いかわからない不安と悲しさが入り混じる気持ちを抑えなが彼女を見つめていました。
突然、彼女は泣き始め、周りのみんなが彼女を茶化し始めました、僕は何も言えずそのまま立ち尽くし途方に暮れたのをはっきりと覚えています。
でも僕の事で泣いている彼女を見ていて「両想い」なのだと改めて強い確信ができた瞬間でした。
その時はすごく嬉しかった。
ですが、その一瞬の強い確信もすぐに終わり告げ、転校後は彼女と逢う事はありませんでした。
僕は遠く離れた場所に引越し慣れない環境で過ごし、恋心も薄れて行きあっという間に中学生になり、サーフィンという本当に楽しい事を見つけて更に誰かを愛す事もしないで海ばかり、最終電車に乗って真っ暗な海の家に集うサーファーに混じって大人になりつつあった少年の思春期の夏を過ごしていました。
今でも夏になると思い出す初恋、
初恋は本当に素晴らしく人間だけが持つ感情。あれから37回目の夏を過ごしている僕は遠く離れているが、今でも無事に彼女が生きていれば今年のセミが鳴く夏空の下で同じ時間を過ごす彼女がいるって思うと、恋の奇跡を共に味わえた二人だけしか知らないあの素晴らしい時間を思い出します。
そして輝きを放っていた光眩しい少年の夏を一緒に味わえたあの一度しかない
「初恋」の時間を今でもワクワクしたりしながら思い出すが、初恋の思い出って印象強いですね。
だんだんと年老いて薄れ忘れ行く僕の記憶。あの夏の様にいま居る僕の一人息子の彼にも同じ様な時間を味わってくれたらいいなって思います。
皆さんの「初恋」は、どんな時間でしたか?
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Surfsalon Rico suäve 

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